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僕には自慢の彼女がいる。
可愛くて、優しくて、頭が良くて。
完璧という言葉がこれほど似合う女性はそうはいない。
誰もが羨むそんな彼女だが、付き合い始めてから僕は彼女のある欠点に気付いた。
「遅刻ですよ」
待ち合わせの時間から二十分遅れてようやく彼女がやってきた。
「あはは、ごめんごめん」
笑顔で軽くそんなことを言われると怒る気にもなれない。
だが、そう、完璧と思われた彼女は時間にルーズなのだ。
これで遅刻は何度目だろうか。
これまで必要ないと思っていたけれど、この調子だとスマートフォンを持ったほうがいいのかもしれない。
待っている間、ちょっとした不安に駆られるからだ。
彼女に何かあったのではないか、もしかしたら愛想を尽かされたのではないだろうか、と。
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