第1章

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アキ『(広一と同い年の子供は広一を苛めていた。靴や椅子に画鋲を仕込んだり、広一に聞こえるようにヒソヒソと陰口を叩いたり、トイレの備品を壊してそれを広一に擦り付けた)』 アキ『(それでついに広一はその子供に嫌いだと言った。俺はそれが助けを呼ぶ声と思いヒーローのように広一を助けた)』 アキ『(子供を殺すことによって)』 アキ『(次に広一の友達の兄。奴は広一の物をよく盗んだ)』 アキ『(優しい広一の事だから物が無くなった事を自分のせいだと思った。だがとうとうその兄が広一の物を盗んでいる場面を目撃してしまった)』 アキ『(その兄は盗もうとしたのではなくちょっと手にとって見てただけという。図々しい。しっかりポケットに入れていたではないか)』 アキ『(そんな嘘に騙されなかった広一はその兄を嫌いだと言い、その助けを呼ぶ声を聞いた俺はその兄を殺すことで広一を助けた)』 アキ『(次に広一を慕う年下の子供。奴はよく広一に物をねだった)』 アキ『(なんとなくさっきの兄を連想するが、奴は強引な手段を使わず年下という立場を利用し愛くるしさで物をねだった)』 アキ『(最初は10円で買える菓子くらいだった。それがだんだんとエスカレートし50円、100円、200円、500円、1000円、そしてとうとう5000円もかかるようなものをねだり始めた)』 アキ『(広一が申し訳無さそうに俺から5000円をねだったのは心が痛んだ。事情を知っているだけに、まだ小学生の広一がそんな思いをすることに)』 アキ『(そしてその子供は最終的に広一の私物にさえ目を光らせた。流石の広一もそれを渋ったが子供は駄々をこねる。まるでやられた側が恥ずかしくなるような、そいつが悪者にされるような、悪質なものだった)』 アキ『(流石に怒った広一は嫌いだと言い、その助けを呼ぶ声を聞いた俺はその子供を拷問し痛め付けた)』 アキ『(何故その子供がそんな真似をしたか聞いてみると反応が面白かったから……だそうだ)』 アキ『(それを聞いた俺はすぐには殺さなかった。痛め付けて傷つけて泣かせて鳴かせて後悔させ、本人の気付かず内にそっと殺した)』 アキ『(それを聞くと俺を異常な奴に見えるかもしれないが、俺は別に大きな革命を起こしたい訳じゃない)』 アキ『(俺はただ、広一を護るヒーローになりたいだけだった)』
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