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女性同士の凄まじい舌戦よりも、そろそろお腹の虫が耐えきれずに吠えそうな予感がしてきたわ。だってベールをしてると、食べにくくって。
それにしても身体を隠すような装いや、話すなって指示の意図が分からない。
それにモンバッカー王国を簑に、ボルシチーノ帝国のあの軍人が何を命じられ何を企んでいるのか。そっちの方が重要なのよね。
両者激しい舌戦を繰り広げ、いささか疲れが見え始めたタイミングで声がかかった。
「マリーベル皇太子妃殿下!
私、ボルシチーノ帝国近衛特殊部隊中佐、グイード・スビョークラと申します。麗しいお妃様、どうか以後お見知りおきを」
わたしの傍で立て膝を着いて、騎士の挨拶をするこの男。
件(くだん)の帝国軍人の登場だ。
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