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「その後我が夫と息子と共に、対策を立てて今に至るのですわ。マリーベル皇太子妃殿下」
あらましを説明して、公爵婦人が優雅に腰を折る。そうか。だからレッドは明け方に帰って来たんだ。
「ごめんなさい。わたしが欠席してしまったから」
い居てたとしてもその女の戦いに入れたどうかは分かんないけど、わたしのために申し訳ないと思った。
「とんでもない!妃殿下が列席するようなものでもありませんわ」
憤慨する公爵夫人の話に、一つだけ疑問が沸いたので尋ねてみた。
「あのね、たしかモンバッカー王国の“王子王女殿下”が来られているんですよね」
「そうですわ。カタリーナ・バッタ・モンバッカー王女と……ええっと」
王子はどこいった。
「すみません。王子殿下は影が薄すぎて、お名前も覚えてませんの」
なんて不憫なのかしら。
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