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「客人から色々手土産もらったからさ。特にコレ。
“オーマグロ”は珍しいでしょ?ステーキにしてみたよ」
北の海に生息する回遊魚、マグロの中でもとびっきりのブランド“オーマグロ”。
煮ても焼いても美味しいくて、ローストビーフみたいにしてもイケるのよ。
本場の人は生でも食べるらしいんだけど、ウチじゃ生で肉や魚を食べる文化がないから、何かしら火を通したりお酢やオリーブオイルとかで和えて食べている。
早く冬のやってくるモンバッカー王国では、樽に水を張って魚等を入れて凍らせ、そのまま他国へ輸出するのよ。
冬だけしか食べられない、貴重な海のお魚。その中でも王様的なランクのオーマグロ。
ニンニク醤油の焦げた匂いと、マグロのステーキの香ばしい薫りが部屋中漂って。
「ぐぎゅるるるるるるっっっ!」
ついにわたしのお腹に飼ってるハラヘリ虫が、盛大に鳴き始めてしまったのだった。
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