うごめく陰謀③

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「客人から色々手土産もらったからさ。特にコレ。 “オーマグロ”は珍しいでしょ?ステーキにしてみたよ」 北の海に生息する回遊魚、マグロの中でもとびっきりのブランド“オーマグロ”。 煮ても焼いても美味しいくて、ローストビーフみたいにしてもイケるのよ。 本場の人は生でも食べるらしいんだけど、ウチじゃ生で肉や魚を食べる文化がないから、何かしら火を通したりお酢やオリーブオイルとかで和えて食べている。 早く冬のやってくるモンバッカー王国では、樽に水を張って魚等を入れて凍らせ、そのまま他国へ輸出するのよ。 冬だけしか食べられない、貴重な海のお魚。その中でも王様的なランクのオーマグロ。 ニンニク醤油の焦げた匂いと、マグロのステーキの香ばしい薫りが部屋中漂って。 「ぐぎゅるるるるるるっっっ!」 ついにわたしのお腹に飼ってるハラヘリ虫が、盛大に鳴き始めてしまったのだった。
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