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あやすように髪を撫でる手と、瞼や頬に落ちるくちびる。
「はぁ……君はどこまでも甘く、柔らかいね」
「んっ---んんっ?」
くちびるが柔らかいものに包まれて、はむはむと甘く唇で噛まれて目を覚ます。
「で、殿下---ぁん」
驚いて口を開いた拍子に、彼の熱が滑り込み。怯えて奥に引っ込んだ舌を絡め取り、なぞってくる。
えっと。どうしてわたし、殿下に襲われてるのかしら。
確かちょっと休憩しようと、日当たりのいい部屋の長椅子に寝ころんでて……
「僕とのキスの途中で考え事なんて、随分余裕なんだね」
「よ、余裕なんて……やっ」
蒼い瞳をすがめながら、顎から喉へとくちびるを滑らせて行き、時折強く吸いついて。甘い痛みを落としてゆく。
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