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私の通ってる大学には変人教授がいる。
バツイチ、子供なし。
顔はまあまあなのだが、
如何せん生きた人間より標本が好きで。
研究室は標本だらけ。
そして教授は何故か
研究室横の資料室にだけは、
誰も入らせない。
誰ひとり、だ。
噂によると世にも珍しい標本があるとか、
違法に手に入れたものがあるとか。
そこで私は教授が学会で留守の今日、
こっそり侵入してみたいと思う。
ちゃっかり入手していた合い鍵で中に入ると、
棚には大小様々な瓶が並んでいた。
並んでいるホルマリン漬けの多くは、
……奇形の赤ちゃんとか。
どうみても
まともなルートで入手したものとは思えなくて
ゾッとした。
奥に進むと瓶の中で髪が揺れている。
よく見ると……人間の生首。
しかも見覚えが……。
教授のもと奥さん、だ。
「ああ。みられたんだね……」
鍵のかかる音に背筋を冷たい汗が滑り落ちた。
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