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僕がこの秘密を知ったのは偶然だ。
教室に忘れ物をして取りに戻ったとき、誰もいない教室で天宮さんは泣いていた。
クラスメートが楽しげに話す夢や目標が、自分にはないこと。
そのことを知られて嫌われたんじゃないかと、彼女は声を押し殺して泣いていた。
その姿を見て、天宮さんが自分よりも幼いのに大変な苦労をしていることを理解した僕は、彼女が欠点を克服出来るよう協力することにした。
そのことを伝えたとき、天宮さんは最初戸惑っていたけど、真摯に何度も想いを伝えるうちに僕の言葉を信じてもらえたのか笑顔を見せてくれた。
ぎこちなくはにかむような、正に天使のような笑顔。
初めて天宮さんが見せてくれた、心からの笑顔をもっと見るために僕は彼女に協力する。
誰になんと言われようと、彼女が自分の夢を持つことができるまで。
叶うなら、その後も・・・・・・。
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