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二人はゆっくりと階段を上っていた。
闘は急ぎたかったが、然の足取りは重かった。
然「私は次の戦いが不安で仕方ありません。クリーンさんやボトルさんの話から想像しますに、『月下廊』にいる敵さんは、毒を使ううえに、姿も捉えられない程、素早く動く人らしい…。そして場合によっては、毒に耐性のある『木の素』を持つ私一人で、その彼と戦わなければならないという事になるかも知れません…」
然は、そう言って、ため息をついた。
闘「そんな事、気にするなよ。俺は毒なんかに簡単にやられたりしないぜ!」
闘「それより、そういやダメ宮って、もう一人居なかったっけ?」
然「えぇ、『人・バ・キュー』のハバナさんですね。」
闘「そうそう、そんな名前だった…。アイツどうしてんだろうな…」
然「あれっ、こんなところに…」
闘が、然の指差す所をみると、階段の壁の所に不自然に手紙のような物が貼り付けてあった。
然は、それを手に取ると、中身を早速、読み始めた。
闘「何が書いてあるんだ?」
然「噂をすれば何とやらです」
闘「どういうことだ?」
然「そのハバナさんからです」
闘「そのハバナが何だって?」
然「会えない気がしたので、先回りしてここに手紙を残しておきます。私が教えられる情報はただ一つ……『月下廊』とは、今、私たちがいる建物と『太陽の間』がある建物をつなぐ長い廊下のような物、つまり、特定の階だけ繋がっている二つの建物の間にある<渡り廊下状の建物>だということ。ただそれだけです。それでは、また……。ハバナ」
その頃、人・バ・キューでは…。
ハバナ「そろそろ、手紙、気付いて、読んでくれてる頃…?」
闘「全然、役にも立たない情報じゃん」
然「まあ、ハバナさんの善意ですから、この事も、記憶の片隅に入れて、進みましょう」
闘「…と言ってる間に、どうやら着いたようだぜ!」
闘の左足が、先に段が無い感触を感じた。
そして、闘は、右足も、階段の最上段に乗せ、両足で最上段の上に立った。
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