第十三章 月下廊の戦い-月夜の晩の敵って何者?-

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二人はゆっくりと階段を上っていた。 闘は急ぎたかったが、然の足取りは重かった。 然「私は次の戦いが不安で仕方ありません。クリーンさんやボトルさんの話から想像しますに、『月下廊』にいる敵さんは、毒を使ううえに、姿も捉えられない程、素早く動く人らしい…。そして場合によっては、毒に耐性のある『木の素』を持つ私一人で、その彼と戦わなければならないという事になるかも知れません…」 然は、そう言って、ため息をついた。 闘「そんな事、気にするなよ。俺は毒なんかに簡単にやられたりしないぜ!」 闘「それより、そういやダメ宮って、もう一人居なかったっけ?」 然「えぇ、『人・バ・キュー』のハバナさんですね。」 闘「そうそう、そんな名前だった…。アイツどうしてんだろうな…」 然「あれっ、こんなところに…」 闘が、然の指差す所をみると、階段の壁の所に不自然に手紙のような物が貼り付けてあった。 然は、それを手に取ると、中身を早速、読み始めた。 闘「何が書いてあるんだ?」 然「噂をすれば何とやらです」 闘「どういうことだ?」 然「そのハバナさんからです」 闘「そのハバナが何だって?」 然「会えない気がしたので、先回りしてここに手紙を残しておきます。私が教えられる情報はただ一つ……『月下廊』とは、今、私たちがいる建物と『太陽の間』がある建物をつなぐ長い廊下のような物、つまり、特定の階だけ繋がっている二つの建物の間にある<渡り廊下状の建物>だということ。ただそれだけです。それでは、また……。ハバナ」 その頃、人・バ・キューでは…。 ハバナ「そろそろ、手紙、気付いて、読んでくれてる頃…?」 闘「全然、役にも立たない情報じゃん」 然「まあ、ハバナさんの善意ですから、この事も、記憶の片隅に入れて、進みましょう」 闘「…と言ってる間に、どうやら着いたようだぜ!」 闘の左足が、先に段が無い感触を感じた。 そして、闘は、右足も、階段の最上段に乗せ、両足で最上段の上に立った。
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