第十三章 月下廊の戦い-月夜の晩の敵って何者?-

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然は、数分で闘の元へ辿り着いた。 然は、闘の両腕を自分の肩に掴ませようとしたが、毒にやられて自由の利かない闘の腕は、然に掴まる事が出来なかった。 然「仕方がありません。闘、少し我慢してください」 然は、闘の両腕を掴むと、闘を引きずるようにして、例の棚を目指して歩きだした。 すでに『木の素』は三分の一くらい変色していた。 然は、一生懸命、闘を引っ張って運んでいたが、毒にやられた闘の体は、思いのほか、重く、遅々として、進む事が出来なかった。 それから、何十分経っただろうか…。然はやっと闘を例の棚の前に連れて来た。 然は、闘の左腕に『土の素』を嵌めると、その場に倒れ込んだ。 然「後は頼みます…闘…」 然は、意識を失った。 『木の素』はすでに四分の三ほど変色していた。 それから数分後…。 闘は、そこで目覚めた。 闘「ここは…どこだ…。何だ、この腕輪は…?」 闘は、ほどなくして、すぐそこに然が、倒れている事に、気がついた。 闘「然、しっかりしろ、然!」 然は、意識が朦朧としたまま、闘の呼び掛けに応えた。 然「今、貴方の腕に付いているのが『土の素』…詳しくは、そこのマニュアルに書いてあります。私はたぶんもうダメです…とても戦えそうもありません…後は宜しくお願いします…必ず薬を手に入れてください…そして長老を…」 闘「然、しっかりしろ。ぜーん!!」 然は、再び意識を失った。『木の素』は、ほぼ全てが灰色に変わっていた。 闘は、軽くマニュアルを見た後、こう言った。 闘「然、お前をここで死なせたりしないぞ!急いで『太陽の間』とやらにいる奴を倒して、必ずお前を助けに戻って来る!!」 闘は、悲壮な決意で、その場を後にした。 第十四章に続く。
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