30人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ごめんなさい、あたし、気付かなくて…好きな人いてるのに、迷惑でしたね…ごめんなさい…」
福井の目から、涙が溢れる。
俺は、いてもたってもいられず、福井を抱きしめた。
びっくりしている福井は、
「ヤダ!こんなのヤダ!好きな人…いてるのに…」
ついに、声を漏らして泣き崩れる福井。
でも、俺は、更に抱きしめる腕を強める。
「んっ…」
「…いるよ、好きな人。」
福井の耳元で、囁く。
「…どうして…」
泣きながら、福井は声を絞り出す。
「…俺の好きな人って言うのは…」
抱きしめる腕を放し、福井の目を見つめる。
「福井の事だ…」
最初のコメントを投稿しよう!