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私は、思いもよらなかった言葉に、言葉を失う。
立野さんが…あたしを?
ウソ…
反応出来ずにいてる私に、立野さんは言葉を続ける。
「…佐々木から、全部聞いた。…キスの事も。
ただ、あれは違う。キス、したんじゃなくて、されたんだ…告白、されてな。だから、好きなヤツがいるからって…断ったんだ。
…でも、油断してた。悪い…
まさか、見てたとは思わなくてな…
すべての疑問が、今やっと分かったよ。
ごめんな?辛い思いさせてしまって…」
涙が止まらない…
私、誤解…してた…
首を大きく振るだけが精一杯の私は、再び、立野さんの腕の中に、引き寄せられる。
初めて感じる立野さんのぬくもり…
落ち着く…
心地のいいぬくもり…
夢を…見てるみたい…
どれくらい経ったのか…
再び立野さんの腕がほどかれ…
涙でぐちゃぐちゃになった顔を見られるのが恥ずかしくて、下を向いていると、
立野さんが親指で優しく涙を拭う。
そっと顔を上げて、立野さんを見ると、今まで見たこともない優しい笑顔…
そっと…
顔が近づく…
唇が触れ合う、ギリギリの所で、目を閉じる。
その瞬間…
立野さんと、初めてのキス…
触れ合うだけの、とても優しいキス…
言葉だけじゃなく、キスからも、立野さんの気持ちが伝わってくる…
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