第2章

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そっと唇が離れる。 再び視線が絡み合い、恥ずかしさで下を向くと、 再び抱きしめられる。 「…夢を見てるみたい。」 「俺も、夢のようだな…もっと早く、こうするべきだった…」 抱き合いながら会話を交わす。 「立野さん、時間…」 急に、現実的な事が頭をよぎる。 「…あ~」 立野さんは、腕をほどき時計を確認する。 「こんな時間か…そろそろ帰るか。ゆっくり休めよ。」 そう言い、立野さんは立ち上がり、 「鍵、かけてくれるか?」 と言いながら、玄関に向かう。 「あっ、はい。」 私は、ベットから出て立野さんの後をついて行く。 もっと一緒にいたいな… トボトボ歩いていると、立野さんが急に立ち止まり、私の方を振り返る。 「…まだ、言ってなかったな。」 えっ? 「福井…俺と、付き合ってください。」 あっ… そういえば… ちゃんと伝えてくれた事に、嬉さがこみ上げ、 「…はい。」
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