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今回は望月先生が大神を殴った。
だが、パワーもリーチも大神のがある為、望月先生が一方的にやられている。
大神の攻撃をある程度流しているとは言え、軽く腫れたり、皮膚が切れて血が出ていたりする。
痛々しくて見ていられない。
オレはこの光景から目を逸らそうとした。
悟「守って貰ってる側が現実から逃れようとするな!望月先生は誰の為に身体を張ってまで戦っていると思ってんのっ!?」
燐「っ!!」
悟くんの言葉がオレの胸に深々と突き刺さった。
何も反論出来ない。
そうだよな。
望月先生はなんの取り柄もないオレなんかの為に命をかけて戦ってくれているんだ。
それならオレの使命は決まっているじゃないか。
この戦いの終わりを見届けること。
多分、これがオレの今の使命。
しばらく攻防戦をしているが、大神はまだまだ余裕があるみたいだ。
…それに比べてハンデがあり過ぎる望月先生は…。
直「ゲホッ、ゲホッ……ハア…ハア…」
和「辛そうだなぁ?おい!」
直「う……っせぇ…」
和「あの〝魔王〟と呼ばれていた頃の最強なお前と戦いたかったな!」
直「…ハハッ…そいつは…残念、だったな…」
こんな状況でも望月先生は相手を挑発するかのように嘲笑った。
だが、望月先生の眼にはまだ光が宿っている。
諦めていないんだ。
しかも、あの眼は何かを信じる者の眼だ。
もしかして望月先生には、まだ希望があるのか?
だが、ダメージを受けすぎたせいか反撃もしなくなった。
もう、意味もなくその場に気力だけで立っているようにも見える。
もしかして…これは…時間稼ぎ?
和「君に生きていられると後々厄介だからさ、君には死んで貰うよ。殺せる内に殺しておかないとね」
直「…ハア、ハア……」
和「…これだけ弱っていれば君を殺すのは流石に容易そうだね。…心配しなくても燐音くんのことはオレに任せて?最高に可愛がってあげるから。君の分までね」
直「……さ、せる…か、よ…」
和「まさか、この子の為に学校にまで来るとはね」
直「…ぅ、るせぇ…これは、…偶然、だ…」
和「まぁ、君がここにいるのは偶然でも必然でもどちらでもいいけどね。この場所が君の死に場所になるって事にはかわりないし?」
このままじゃ本気でヤバい。
ー燐音視線終了ー
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