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直「…蒼真…?」
蒼「直人。…コレで中学時代の借りは返したからな?」
今はそんな事どうでもいい。
和「君はオレがトラウマなんだろう?それで…どうやってオレと戦うと言うんだ?強がりはよせ」
蒼「うるさい…」
蒼真…ゴメンな。
ホントは教室に来たくなかったんだろ?
…なのにオレが余計な事を言っちまったから。
和「オレとしてもお気に入りだった君は殺したくはないからね、暫く眠っていて?」
大神は蒼真に近づき、蒼真の首に黒い物体を押し付けた。
蒼「っ!しまった!!」
バチィ
あれは…スタンガンだ。
蒼真は膝から崩れ前に倒れそうになった。
クソッ!ここからじゃ受け止められない!!
ダンッ!
蒼真は大きな音を立て右足で踏みとどまった。
蒼「…危ない危ない。流石に意識が飛びそうになったわ」
今までに無い、蒼真の本気の殺気をオレは感じた。
和「仕方ないなぁ。…邪魔をするんだったら例え君だろうと潰すよ?オレ」
蒼「簡単に潰れてやる気はない」
大神と蒼真の戦いが始まった。
だが、蒼真の攻撃にはブレがあり隙がありすぎる。
普段のアイツならこんな初歩的なミスはしない。
和「そんなんじゃ当たんないよ?」
蒼「……っ!」
和「ほら、右の脇腹がガラ空き」
蒼「ぐっ」
和「オレが怖い?そうだよね。…だって、君の大好きなヒーローの望月でさえ、オレにボコられて虫の息なんだもんね。…ほら、もう君を守ってくれる人は居ないよ?…ヒーローといえば、昔…ずっと君を守り続けていた海斗でさえオレの手で死をさまよってるんだもんね」
蒼「…うるさぃ……」
和「君じゃオレには勝てない。それにあまり動くと血行が良くなって、血が足りなくなっちゃうよ?」
相手が悪かった。
恐怖対象なんかじゃなければ…。
オレがこんな姿じゃなかったら…こんな奴に負ける事も、蒼真が傷つく事もなかった。
…いや、10年前に大神を仕留めていればこんな事にならなかった。
今さら後悔したところで現状は変わらないな。
ボロボロで何も出来ないオレ。
いや、そんなオレにも出来る事が一つだけある。
…それは……。
直「負けるなぁー!!蒼真ぁあああっ!!!」
…少しでも蒼真の闘志を燃やす事だ。
ー直人視線終了ー
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