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ー蒼真視線ー
クソッ!落ち着け!!
感情的になったらコイツの思うつぼだ。
とにかく今は挑発に耐えて冷静になんなきゃ。
コイツの顔を見ると、どうしても昔の出来事がフラッシュバックする。
そのせいで戦いに集中できない。
また、攻撃がブレる。…悪循環だ。
オレはまだ弱いままだったのかな?
…愛する人すら守れないとかダセーな…オレ。
…今度はオレが直人を守る。そう誓ったのに…。
直「負けるなぁー!蒼真ぁあああっ!!!」
…あぁ。
直人はオレが勝てると信じてくれているのかな?
ただ後ろにいるだけなのに、直人はオレの背中を押してくれてるそんな気がする。
…お前に応援されたら負ける訳にはいかないよな。
蒼「…ありがとな…。直人」
過去は消えた。
迷いは消えた。
恐怖は消えた。
コイツが怖くてどうする?
オレは守りたいんだ。
学校を。このクラスを。仲間を。
…そして、オレがこの世で最も愛する人を。
和「どうしたんだい?そんなに怖い顔をして。君の事また、可愛がってあげようか?」
オレが冷静になったのを見計らったように挑発をしてくる。
蒼「…………」
和「あの頃は泣き虫で可愛かったのにな…面影もないや。…でも、オレに怯えるその眼は変わらないね♪」
蒼「………っ」
きっと、今のオレは額に青筋を浮かべているんだろうな。
その証拠に大神は楽しそうにニヤニヤしてやがる。
和「ねぇ、望月がこの世から消えたら君はどうするの?オレを殺すの?それとも自殺する?…または代わりを見つけるのかな……?」
蒼「…形あるものには終わりがあるものだ。それぐらいの覚悟は出来ているつもりだ」
和「今なら弱ってるし簡単に殺せちゃうよ?」
蒼「殺させやしない。オレが生きてる限り!」
例え命が尽きようと直人は守る。
オレのこの両手で。この身体で。
他の誰でもないこのオレが直人を守るんだ。
オレは…直人と並んで歩きたい。
そう思って身体を鍛えて喧嘩をするようになった。
魔王と呼ばれた最強の男の隣に居ても恥じぬ様に必死に強くなろうと努力してきた。
…オレ、お前の隣に居てもおかしくないくらいには強くなれたかなぁ…?
……だから、怖いけど…オレは逃げないで戦うよ…?
ー蒼真視線終了ー
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