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親父も母さんも理事長も海斗先生も蒼真さんも望月先生も決して普通の人ではなかった。
むしろオレが今関わってる人の中でマシな性格してるのは葉塚さんと悟くんくらいな気がする。
千「お酒入ってる時に政樹さんが『なんなら僕が塗り替えちゃうってのもアリかなw』とか言ってたよw」
燐「うわっ、ビックリするくらい親父と思考回路一緒!!」
千「まぁ、あの人はAV男優やってたような人だからね。…ぁ、これって言っちゃマズイ感じだったかな?」
燐「…現実ってツライですね」
千「うーん。人は夢を見る事でソレが生きる動力となり、生きていられるからね。だから…現実を見た時に『ツライ』と感じるんだよ…。私はそう思う」
あぁ…なんて深い言葉なんだ。
もうちょっとちゃんとした状況で聞きたかった。
燐「千春さんの夢は…なんですか?」
千「…夢…か。…昔は、子供を授かる事が夢だったよ」
燐「……ぇ…?」
千「私ね、20代の頃に流産しちゃってさ…それ以来、子供が産めない体質になっちゃって…。それでずっと子宝に恵まれなかったの」
いきなりシリアスに突入しないでください。
燐「そうだったんですか…」
千「うん。それで、忙し過ぎて私の傍に居れない政樹さんの代わりに、わざわざ引っ越してまで紗耶香が来てくれたの」
燐「…母さん」
千「慰めてくれたし、優しくしてくれた。そして燐音くんとも頻繁に遊ばせてくれた」
燐「っ!」
確かにオレの幼少期は自分の家にいるよりこの家にいる時間のが長かった。
千「それから、直人くんが居候してさ…自分に子供がいたらこんな感じなのかなって思ったりもした」
燐「…千春さん…」
千「でも、紗耶香には感謝してるよ。いろんな意味で。まぁ、私まで腐ったけど」
燐「今までのシリアスが台無しになりましたよ?千春さん」
千「いいのいいの。私、シリアスとか嫌いだから!それに萌えは私の生きる動力だから!!」
燐「…………」
いや、そういう問題じゃないと思うんだよなぁ。
がちゃっ
道具を取りに行った望月先生がやっと戻ってきた。
千「あら、遅かったね。もしかして政樹さんの部屋で欲情して…」
直「それはないんで落ち着いてください」
千「えー」
直「何故です?」
千「政樹さん×直人くんも個人的にはありだと思うんだけどなぁ」
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