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―燐音視線―
確か、オレはチャイムを押して、ドアが開かれて…。
そしてドアを開けた予想外の人物に思わず言葉を失ってしまった。
燐「えっと…これが現実…ですかね…?」
直「…どうやら、その様だな…」
そう、ドアを開けたのは…なんと望月先生だった……。
燐「先生、コレ同窓会のネタにしてもいいですか?」
直「構わん。…オレも使う」
現実はいつも辛い。
燐「ってか」
直「つうか」
燐・直「「オレの初恋の相手、お前(アンタ)かよっ!!?」」
何だろう…このなんにも言えない状況は。
マジで何も言えねぇ…。
直「まぁ…外は暑いし、中に入れよ」
燐「うん。そうします。…お邪魔します」
望月先生にリビングに案内され、麦茶を出されたんだが…。
望月先生はソファーに座ると頭を抱えた。
直「オレの中ではさ、…10年振りの再会って感じだったんだが、…実際はさ、さっき振りだよな…。これ」
燐「…ですね」
オレも10年振りくらいの再会だと思っていたから凄く困ってる。
直「でも、スッキリしたわ!」
燐「それは思いました」
長年、オレが追いかけてた背中はこの人の背中だったんだ。
直「はぁ…。昔は泣き虫で寂しがり屋の可愛いガキだったのに、今はこんなに逞しくなっちまったんだな」
燐「昔のネタは禁止ですっ///」
直「なんだ。今でも充分可愛いさは残ってるんかw」
燐「うるさいですっ///」
直「はははっ」
でも、良かった。
昔から大好きでいつも憧れていた人がこの人で。
燐「オレさ少しはアンタに近付けたかな?」
直「さぁな」
燐「アンタみたいになりたくてさ、オレは弱い体を必死に鍛えてきたんだよ?それに、卓球も始めた」
ヒッキーの時期があったから体力落ちちゃったし、筋肉もあるのかないのかわからないレベルだし、不健康な生活してたから貧血やばいし。
直「………」
燐「オレ、アンタみたいに恵まれたルックスじゃないからさ…それ以外を時間をかけて磨いてきたんだよ?」
直「…燐音…」
燐「でもさ、卓球は手首を壊して辞めちゃったし、1位をキープしていた全国模試と定期試験は引きこもっちゃってトップじゃなくなった」
この高校に入らず、普通の共学に行っていたら未だに学力くらいはトップでい続けたかもしれないな。
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