☆初恋の人に再会したが…☆

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燐「こういうのを【腐敗堕落】って言うんですよね…」 直「…人は一度くらいどん底に落ちてる方がいいんだよ」 燐「何でですか?」 直「人間ってさ、不思議なもんで傷が多い方が案外輝けるもんだよ。それに傷つく辛さを知っていれば人に優しくできるしな」 傷が多い方が輝ける…か。 燐「まるで宝石と一緒ですね…」 直「あぁ、宝石も人間と同じでな、同じ物は存在しないんだ。…みんな違っている。だからこそ一人一人に価値があるんだ」 燐「ねぇ、一つ言っていいですか?先生にシリアスは似合わないですw」 直「知ってる。そもそも猫耳が猫耳に何を言うかって感じだもんなw」 良いこと言うな。 流石ホスト。 燐「あのさ、望月先生って何で教師になったんスか?」 直「それは蒼真に言えよ。オレの本職はホストなんだからw」 燐「教員免許ってちゃんと持ってます?」 直「持ってるよ。社会科だけだが…」 燐「それを聞いてホッとしましたw」 直「まぁ、歳を取ることを考えたらホスト以外にも保険が必要だったからな。都内とかは無理だが田舎の方に行けばある程度、雇ってくれるだろうし」 燐「思いの外、リアルな理由で教員免許を取ったんですね」 直「まあな。あー、なんだ。…ここで話すのもアレだからさオレの部屋に行くか?」 燐「あ、行きます!」 そして階段を上り、望月先生の部屋に向かっているのだが…。 直「なぁ…燐音?」 燐「なんですか?」 直「もう、昔みたいに『なっちゃん』って呼んでくんねぇーの?」 燐「呼んで…欲しいんですか?」 直「さっき…。まぁいいや。…その、イヤ…か?」 燐「卑怯な言い方ですね…」 昔はお互い無垢な少年だったからそんな事言えた。 でも、今は生徒と教師だ。 直「せめて、ココに居る時くらいは〝直人〟って呼べよ」 燐「分かりました。…直人さん」 本人が呼べと言っても、どうしても年上の人を呼び捨てにする事に抵抗があった。 直「〝さん〟いんねぇーから」 燐「良いじゃないですか!新婚っぽくて」 直「オレって案外バカだからさ…勘違いするぞ?いいのか?」 燐「勝手に勘違いするのは構いませんがそれは勘違いで終わりますよ?」 望月先生は苦笑いをした。 ってか何だよ。 担任(代理)をさん付けで呼ぶってスゲー変な気分なんだが…。
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