Memory.1 【別れの挨拶、笑顔の旅立ち】

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先程の態度から見てふざけている奴とばかり思っていたが、こんな笑顔も出来るのか。 つれないな、といったあたり今のところは求婚をせがむのを諦めて私との話に専念してくれるようだ。 私の話を聞かずに話すわけでは無くてしっかり話も聞いてくれるらしくて安心した。 普段からその自然体でいればこいつなら全然嫁には困らないと思うのだが。 「だから私は休暇が欲しい、だからお前に死んでほしい。わかりますか?」 再確認するように少しだけ首を傾げて吸血鬼にそう聞くと、吸血鬼はだるそうに私の頭をわしゃわしゃと撫でた。 「話は最後まで聞いて。僕はあんな村襲ってないし、第一あんなまずそうな村襲う理由もないし」 ああ、このわしゃわしゃは少し話を聞けと言うことか。 頭を撫でられたのは余りに久しぶり過ぎて、どういう意味かを汲み取る事が出来なかった。 まずそう、とは一応私の村に普通に失礼な事をサラッと言ったなこいつ。 私も口が悪くて最近は直すようにしたが(以前それで父親と喧嘩して地球が滅びかけた)この吸血鬼もいいのは表だけで、裏は相当な口の悪さというのが改めて分かった。 口が悪いと言うか、遠回しに毒を吐いてくるタイプの人ですね。 同族嫌悪に近い感情と言うか、似ている感じがします。認めたくはないけれど。 「つーか、どうしてまた吸血鬼討伐なんて始めたの」 ...こいつは世の中の出来事に疎いのだろうか、さては興味がないのか。
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