Memory.1 【別れの挨拶、笑顔の旅立ち】

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次いつ会えるから駆らない大切な人との別れに少しだけ後ろ髪を引かれる思いではあったが、打ち合わせ通りに今日中に村を出発することに。 「ねえ、イリス。僕少しアレスさんと話しておきたいことがあるんだけど、少しだけ待ってて貰えるかな?」 「分かった。...破壊神さんと話すことなんてあるのか?」 破壊神さんとは初対面なのに何を話すことがあるのだろうか。 深く聞きすぎると嫌な思いをするだろうと思い、私からはそれ以上聞かないことにした。 「何言ってんの、結婚する時には承諾がいるじゃん」 本気で言っているのか、こいつ。 怒りを通り越してもう呆れる事しか出来ない。 「じゃ、行ってくるね」 ニコニコと笑顔のまま破壊神さんに話しかけて二人でどこかに行ってしまった。 笑顔のままだったが、どこか真剣に思い詰めていたような表情をしていた様な...。 「気のせいか」 あいつが思い詰める理由なんてないし、と先程の考えをあっさりと捨てた。 二人の話が終わるまでずっとここに立ち尽くしているのも私が暇なので、村の散策をしながら自分の部屋にでも帰ろうかな、と思ったり。 そうと決まれば即行動あるのみ、と言うことでその場からふらふらと立ち去って行った。 見慣れた町の風景。聞き覚えのある子どもの声。いつもと変わらない、一日。 昔の事を無意識に思い出してしまいそうで少しだけ怖くて。
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