Memory.2 【微量の毒と、消化しきれない多量の愛】

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本人も地面に減り込んでるのに、ヒールも減り込ませられているなんてなんか面白いですね。 「何階ですか?探すの面倒だから、早くお願いしますね。...じゃないと、腹に穴開きますよ」 じわじわと相手を痛めつけるような、変態が喜びそうな尋問をしていると、一旦席を外して門の蝙蝠を片付け終わった吸血鬼がこっちまで来ていた。 その姿を見ても減り込んでいる彼は頑なに口を閉ざして、黙り込みでもこの私に決め込むつもりなのでしょうか。 「...早く言ったら?どうせ死ぬんだからすっぱり潔く死んでよ」 何より、私が折角優しさをかけてみようと決意したのに何するんだという話ですけれど。 ええ、これが私の本性であって、自分でも分かっている通り冷酷だと思います。 私のこんな姿を見たらきっと嫌うでしょうね、私に求婚をせがむ吸血鬼は。 そんな事、私から心底どうでもいい...事なんですけど。 自分から吸血鬼討伐に付き合わせておいて、なんて自分本位な話だと言われても仕方ない。私たち神は基本エゴイストですから、で片付いてしまうでしょう。 「ぐぅぇっ...」 「駄目だよイリス、もう舌噛み千切ってる」 ほんの一瞬の考え事の時間でどうやら自害を図られたようで。 その事を教えてくれた吸血鬼は私の本性にひくどころか、怪しい笑みを顔に浮かべていた。 これは結局の所、自分で見つけてタコ殴りしろってことですか。 ...なんて面倒な。
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