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マントを翻し、少年は森を歩く。
腰には魔の知識が記された魔導書を、そして片手には、世界の創生について記された書を持って。
「世界は神により、三つの並行世界となった、かぁ」
かつて三種の種族が住んでいた世界では、争いが絶えなかった。それを憂いた神により、世界は分かたれ、以後争いはなくなったという。
「三つの異なる世界が、この世界にはある。僕もいつかこの目で見ることができるかな。……って、その前にまず隣町に行けないと意味ないか」
少年が日々を過ごした村を後にしたのは、つい先日のこと。今手にしている本と魔導書も、その時世話になった老人が餞別代わりにとくれたものだ。
「この世界の何処かに、きっと僕の失った過去がある。いつか、見つけられたらいいな」
記憶を無くした今の少年には、この世界全てが新鮮であり、未知なるもの。
この先、どんな冒険が彼を待っているのだろうか。
それは、神のみが知ることである
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