崩壊の始まり

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 母は、彫刻家としての父の面影を、弟の姿形に投影したかったのかもしれないのでした。 母は、弟をまっすぐ見つめているようで、その実、見つめていたのは父の亡霊でした。 そこには、ある種狂気とも言うべき複雑な愛情が秘められていたのかもしれません。
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