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夕日を眩しげに少年は見つめた。小さくまとめた荷物を揺すり、肩へ乗せ直す。
一歩、夕日に近づいたとき、後ろから声を掛けられた。
「もう、行くのかや」
嗄れた声に少年は振り返る。風が夕日に赤く染まる少年の白い髪の毛を揺らした。
「行く。世界一の剣士になる。世界の隅々まで旅するんだ」
そう言い置いて、青い瞳を夕日の先へ向ける。その先は真っ直ぐした道が続く。
老人へ手を振って、少年は冒険の一歩を踏み出す。その先を夢は駆けていった。
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