王妃

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「……さっきの医者の話は嘘だ。有砂とそんな話をしたことはない」 女は少し目を見開いたがそれ以上驚くこともなく、まるで仮面にも似た無表情へと変わっていった。 「……お前は、一体誰なんだよ……!」 「アーア、バレチャッタカ」 ぞっとするほど低く、重々しく、でも聞き覚えのある声で女は言った。 それと同時に、急な眠気に襲われ、まぶたがどんどん重くなる。 ああ、そうか。 「白雪姫」の王妃役は、平沢まどかだった。 この声も、教室で見たノートも、全部平沢まどかのものだ。 「あり……さ……は…………ど……こ……」 意識が遠のく中で見た彼女は、まるで命を吹き返したような生き生きとした表情をしていた。
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