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空が輝くから、胸が騒ぎ出す。
教室にいるのなんて勿体ない。
「ドキドキするから、帰る！」
教科書は閉じてしまえ！
ついでに昨日までの日常も！
「お腹痛いから帰りまーす！」
すれ違う先生に手を振った。
飛竜の影が、校舎を覆う。
階段の手すりを滑り降りて、大きく息を吸い込んだ。
「いっくぜえ！」
水溜りから顔を出す兎。
新緑を纏った風馬。
追い抜かされて、制服のリボンがヒラリ。
空へ。
「ただいま、お母さん！行ってきます！」
玄関は、開けっぱ。
キッチンは、酒場。
「学校は？！」
「聞こえなーい！！」
廊下は異界の入り口で。
この部屋は平原のユグドラシル。
カタカタと音を立てて紡がれていく。
デスクトップから、鮮やかに命を吹き返して。
CtrlZ。
秘密の呪文を覚えたら。
描いたままに溢れ出す。
私だけの旅へ。
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