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「どちら様でしょうか」
どうやらこの家の使用人らしい。しかしその風格と隙のない立ち居振る舞いにエルンストは圧倒されてしまった。
「エルンスト…クリーゼルと申します。あの…オイゼビウス氏はご在宅でしょうか?」
「オイゼビウス様にはどういったご用件でしょうか」
使用人らしき男はごく丁寧な口調でエルンストに訊ねた。
決して見下すわけでなく、しかし心を許しているわけでもない、といった様子だった。
「私は作曲家を志す者で、ドレスデンより参りました。どうかオイゼビウス氏にお目通りを願えませんか?それが叶わなければ、せめてこちらをお渡し頂きたい」
「楽譜ですね。ではお預かりいたします」
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