辛い日々の始まり

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さっきまであんなに楽しい気分だったのに 凄くこの状況を望んでいたはずなのに 「…………わりぃな、突然こんな事言い出して 迷惑だったか?」 「………………………」 あれから今枝さんのいた場所に戻った 今枝さんの前では変な顔をしたくなかった でも 気持ちがまだ追い付いてなくて 先程の辛い思いを引きずっていた いつまでも黙っている俺の様子を見ても 何も聞いたりせずに 今枝さんが気を使って話しかけてくれた 俺は俯いたまま首を横に振った 「そうか……じゃあ俺の車に乗ってくれるか?」 「………………………ぇ…………」 「いや…………お前とはゆっくり話したいし 昨日の礼も兼ねてドライブっていうか …………食事とか大丈夫か?」 「……………………………」 ………………………凄く行きたいけど ……………食事は駄目だ……… きっと外食だから他の人の目がある 俺なんか連れてたら この人まで変な目で見られてしまう ……………2人でゆっくり話したい 「………………どう?飯食える?」 「…………あの………」 「うん?」 「……………………食事より……… ドライブがいいです……………駄目ですか?」 「………………ドライブか……… 本当にそれでいいのか? 腹とか減ってないのか?」 「はいっ」 俺なりに頑張って凄い大きな声を出した 久しぶりに大声で喋りすぎて口が疲れた 喉が上手く開かなくて 最後の返事はひっくり返ってしまった
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