辛い日々の始まり

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それを聞いた今枝さんはエッ………と 顔をしかめ 驚いていたようだった 確かに光希は以前 満員電車の中で 痴漢をされた事があるが それは1回だけだ それに その痴漢も 俺の近くにいない時のもので 俺は実際見てない 正直 男が痴漢にあうなんて 聞いた事ないから 光希の気のせいじゃないかと思ってる 光希は その時の痴漢で 凄く傷ついたと言って 両親に伊月と一緒の登下校じゃなきゃ嫌だ と駄々をこねた その為 俺はボディガードのように 光希を周りから守るようにして 行き帰りを共にする事になったのだ 光希は事ある事に その痴漢のトラウマを持ち出し 俺を近くに置くのを周りに納得させた 俺としては光希と一緒にいるだけで 余計な恨みを買うから 一緒にいたいとは思ってない でも そんな事口が裂けても言えるわけない この場でそれを言って欲しくなかった そんな事言ったら 光希が一緒に付いてくる羽目になる そんなの嫌だ 今枝さんはどう思ってんのかな 光希に感化されて一緒に連れてくのかな …………断って欲しい 光希にさっきみたいにはっきり断って欲しい 「…………………そうか……………………………」 今枝さんは考え込んだ末 「じゃあ 仕方無いだろうな」 …………………………え
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