辛い日々の始まり

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「…………………………」 そんな事わざわざ言われなくても よく分かってる 悠真兄さんは俺が憎くて憎くて仕方が無い 俺の存在そのものを否定し 毎日のようにお前が何故生きているんだと 罵りながら殴り付ける そして俺を苦しめる為に 毎日 毒素を注いでいる 汚い 醜い おぞましいと囁き 俺を支配する 悠真兄さんが俺に毒素を注ぐ時は いつも俺の顔に枕を押し付ける 少しでも枕から顔が見えると 目が腐る 醜いと言って殴られる 子供の頃は傷が深くて大変だった 悠真兄さんは俺に全く気遣わないから 毎日されれば当然 傷が悪化して 膿んだり裂傷したりで痛くて痛くて 毎日泣いていた しかも初めて悠真兄さんに 毒素を注入されたのは俺が9歳の頃 まだ身体が出来上がってないのに 強引に大きい物を捩じ込まれた そこは 裂けて酷い有り様になった 俺が痛がって泣くと 気持ち悪いと言って殴った それが毎日続いて いつしか涙が枯れてしまった 殴られるより毒素を注入されるのが 俺にとっては何より辛い事だった 悠真兄さんが本当に 俺に死んでほしいんだってよくわかった そんな扱いをされても 誰も助けてくれないのが辛かった 最初の頃は悠真兄さんが憎かった 自分にいつも酷い行為を強いる とんでもない極悪人だと思っていた 今はそんな風に全く思っていない 悠真兄さんは俺の大事な人だから
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