辛い日々の始まり

16/103
1132人が本棚に入れています
本棚に追加
/469ページ
そうだよな……… この人に彼女がいないわけが無い 聞いてみたいけど 俺が聞くのはやっぱりおかしいよな 大体 それを聞いた所で だから何だって言うんだ 俺は男だし この人はどうみても 男に興味があるように思えない 俺の場合は男も女も 恋愛対象とは考えていなかったけど もしかして俺 男の人が好きなのかな じゃあ俺 今枝さんを………「伊月?」 「--------------------------ッ!!」 自分の考えに耽っていたら 突然話しかけられ 驚いた拍子に顔を上げた瞬間 今枝さんの頭に頭突きをしてしまった 「ッッッッ!イッデェ--------------------!!」 「ッ!ごめんなさい! ビックリしちゃって!大丈夫ですか!?」 「お前 急に動くなよ! こっちこそビックリしたわ!」 「わわ、ごめんなさいごめんなさい! あ、あの、痛いですか?」 「めちゃめちゃ痛い…… 思い切りぶつけた……」 それを聞いて俺はアワアワと慌てて 今枝さんのオデコに手を当てて サワサワと触ってみた ………………………どうしよう タンコブになってる すると 俺がおろおろしている様子を ただ眺めていた今枝さんが プッと吹き出し 「ったくしょうがねぇなぁ お前の頭こそ大丈夫か?」 …………………………あれ…………怒ってない? 今枝さんは大笑いしながら 俺の頭をポンポンと叩いた その目は本当に優しげでそんな表情を 自分に向けられていると思うと 目元が熱くなってきた
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!