辛い日々の始まり

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俺が黙り込んだのを見てどう捉えたのか 今枝さんが 「…………言いにくい事か? だったら無理に言わなくていい まだ知り合ったばかりなのに こんな事聞くのも失礼だったな」 俺はその言葉にハッとして そんな事ないという意味を込めて 首を横にブンブン振った 「ん?はは、わかったわかった」 ……………今ので分かってくれたのか ニコニコしながら頭をポンポンされて 俺もホッとして少し微笑みながら 今枝さんの顔を仰ぎ見た 「………………伊月の笑顔はレアだな 今日ずっと一緒にいてまだ2回しか見てない」 ……………それはさっきの シートベルトの時の事だろうな 「……………………」 「……………………………?」 今枝さんが何故か俺を見つめたまま 動こうとしない ……………何だろう あんまりジッと見つめられると 緊張するから止めて欲しい……… そんな風に考えながらも時間は過ぎ 今枝さんが漸く口を開いたと思ったら 「伊月………何か悩み事とかあったら 俺に相談しろよ」 「……………………………………ぇ」 「俺も一応 教育実習しているわけだし やっぱり色々な生徒と コミュニケーションを取って 皆の悩みとかの相談を受けたりしたいんだ だから伊月も遠慮せずに 俺に何でも言ってくれよ それなりの解答は用意するから」 ……………………………………………………え
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