辛い日々の始まり

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……………今のってどういう事だろう 俺はあのまとわり付いてた連中と同じって事? 俺がクラスで浮いているように見えたから それを心配してこうして連れ出したって事? ………………俺じゃなくても良かったって事? 「………………………」 「……………ごめん 急にそんな事言われても困るよな ゆっくりでいいから な?」 そう言って優しく 手を握ってきてくれたけど あんなに暖かいと感じていた手の感覚が 何も感じられなかった とても無機質だった …………………………そうだったのか 暖かいと感じていたのは 俺が勝手にそう思っていただけだったんだ 俺は何を勘違いしていたんだろう 自分自身ではわかっていると 思っていたはずなのに 何もわかっていなかった 俺は結局 期待していたんじゃないか 俺は他の連中と違うって 俺は特別なんじゃないのかって ……………自惚れもいいところだ 心の片隅にあった微かな望みが 音を立てて崩れていくのがわかった 何で高望みなんかしてしまったんだろう 何で勝手に期待して 勝手に傷付いているんだろう 「……………………………ふ…………」 ………………救いようのない馬鹿野郎だ 俺は
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