辛い日々の始まり

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「………………俺を探しに来たんですか?」 「………………あぁ」 「…………………………」 「……………伊月……………帰ろう……………」 「…………………………」 「…………………………………………伊月……………」 目の前の男が俺の肩に触れ 俺は反射的に その手をはね除けた 「…………………………」 俺は下を向き 肩を震わせながら 感情の高ぶりを抑える事が出来なかった 感情の爆発を抑える事が出来なかった 「……………………………………うぅっ………………… ……………ふっく……………………ぐっ……………」 「………………………」 何も考えたくない 心がぐしゃぐしゃで潰れそうだ あちこち痛い どこもかしこも痛い もう無理だよ 頑張れない 「もう俺の事は放っといてください……… お願いだから………… もう解放して下さい………」 「………………………」 「……………………………もう嫌なんです もう限界なんです………… 俺は悠真兄さんの おもちゃじゃない………………」 「………………………」 「……………………………お願いですから もう死なせてください…………」 「………………駄目だ…………お前は死なせない お前は俺の」「もう本当に無理なんです! 俺は悠真兄さんの望むものにはなれません! もう俺はあの頃の俺じゃない! いつまでも子供じゃない! ちゃんと成長してるんです! お願いです!もう俺に執着しないで! もう解放して! あの家からも 光希からも 悠真兄さんからも!」 「………………………………」
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