今日君は……

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「なぁ、俺じゃなくて秀太と話をすれば??」 腕にひっつく駄犬を引きはがそうと試みる。 「なんでだ!?お前は俺とお話したくないのか!!!??!」 いやいや、お話ってより一方的に吠えてるだけだろ…… 「秀太ぁ……こいつが俺をいじめる」 駄犬が涙を流し、秀太に気持ち悪い声を出しながら擦り寄りだした。 すると、秀太は駄犬の頭を慰めるようによしよしと撫でながら俺に非難の目を向けた。 「秀、なんでそんな酷いことするんだ……」 何もしてねぇ……と突っ込む気力がなくて、俺はその二人を置いて見え始めていた校門へ雨で濡れることも構わずに猛ダッシュを開始した。 「あ、秀ー!!!」 秀太が何か叫んだけど気にしてる暇はない、今は逃げるが勝ちってやつだ。 校舎まで逃げ切ると、下駄箱に入り古い記憶をたどって自分の下駄箱を見つけた。 あまり履かれてない上履きは、新品同様の白さで俺を待っていた。 履き変えると中に入り、また、記憶を探りながら亜樹の教室を探す。 確か……一年生は3階なんだよな…… 階段を見上げてため息を吐いた。 3年というブランクは長い。3階まで平然とした顔で上っていく一年生らしき人達を尊敬しながら重たい足を上げた。
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