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秀太が裕希のことを好きだと告げたとき。
俺は競争心も嫉妬心も沸かなくてただああそうなんだと納得しただけだったのだ。
亜樹に裕希が好きなのか聞かれたときはあんなに動揺したのに、それが今は嘘みたいに落ち着いている。
あの動揺は図星を突かれたからでは、ないのだろうか……
ベッドの上にいる愛しい人のはずの裕希を見て自問自答する。
だけど、結局その答えを見つけることはできずに家に帰ることになりその日は終わってしまった。
もやもやとした思いを抱えたまま次の日を迎えた。
その日は何事も無く平凡に終わった。
一応亜樹に話しかけてみたが昨日と同じ感じで終わってしまいそれ以上、深入りはできなかった。
それから何日かはいつも通りの平和な日が続いた。
そんな感じであの事件があった日も平和に午前は過ぎていった。
だけど、お昼休みのときその平和は壊れた。
「次、体育かー」
クラスメイトとワイワイガヤガヤしながらジャージに着替えていた。
「秀ー!先生が授業の前に職員室にこいだってー!!」
楽しく話しながら着替えていると、教室の入口から女子が伝言を伝えてくれた。
わかった!と答えて、話をしていた友達にまた後でなと別れて教室を後にした。
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