今日君は……

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一睡もできないまま、朝を迎えていた。 目覚ましが起床時間を知らせる。止めて重たい体を起こした。 学校いくのか…… 正直な所、行きたくない。不登校にとって学校とは恐怖の場でしかないのだ。 「亜樹のため、亜樹のため、亜樹のため……」 おまじないのようにぶつぶつ呟きながら、久しぶりにジャージではない服に袖を通す。 制服ってこんな息苦しかったっけ?久しぶりに着た感想はとりあえず動きにくいだった。 深呼吸をして、扉に手をかける。 そして、開け放った。見慣れた家の中なのにいつもとは違う世界に来た気分だ。 ガチャっと隣の部屋の扉が開き、秀太がでてきた。 「えっ……」と秀太が俺の格好を見て一瞬、時を止めた。 「ええ?秀、学校にいくの??」 こくんと頷いて答えると、秀太はどこか嬉しそうに笑い、なら一緒に登校しようと言った。 そして、久しぶりの通学。 断ればよかった。と後悔していた。今こんなに憂鬱なのは雨のせいではなさそうだ。 右腕に昨日、家を訪ねてきた変なモサモサ頭の男が絡みついてきて、いろいろなことを話してきている。 「まぁ、昨日のことは許してやる!!!俺ら友達だしな!!」 「あ、てか!お前のこと秀太からきいたぞ!!!!本当は今日、俺がお前をあの家から引きずり出してやろうと思ってたんだ!!!」 「俺、偉いだろ!!!感謝しろよな!!!!」 否、話すというより何か吠えている。 その駄犬が煩すぎて耳が悲鳴をあげはじめていた。
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