……の味。

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「失礼しまーす」 資料室を開けるとそこにいるはずの先生はいなかった。 「煙草くさっ」 窓を開けて換気。 ここは禁煙なのに先生は一向に気にする気配はない。 「バレたら怒られるのに。……あ」 机の上には置きっぱなしの煙草の箱。 「……どんな味がするんだろ」 そっと手にとって1本出してみる。 「……」 ドキドキしながら口に近づけ、手が止まる。 流石にくわえてみる勇気はない。 苦笑いで煙草を置こうとしたとき。 「なにやってる」 「はいっ!?」 掛けられた声に飛び上がりそうになった。 振り向くと先生が笑ってる。 「喫煙見つかって停学になりたいの?」 「ちがっ」 私の手から煙草を取るとくわえて火をつける。 「先生いつも吸ってるから、どんな味なのかなぁって」 「ふーん」 次の瞬間、先生に唇を塞がれてた。 「こんな味」 先生はそう云うとにやりと笑った。
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