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時は戦国時代。
「はぁ、、、はぁ、、はぁ、、!!
ちくしょう!まだ追ってくんのかよ!」
見るものを魅了するように輝く鮮やかな赤い髪を腰あたりまで伸ばした少年は、息を切らしながら森を走り抜ける。
「今度こそ捉えろ!、、、逃がせばまた面倒なことになる!妖術を使ってでもあいつを逃がすな!」
少年の後方10メートルあたりでは、全身を黒い衣服で纏った男たちが五、六人追いかけている。
彼らは少年が持つ、「ある物」を求めている。
「……はっ、だれが渡すかノロマども!
テメーらがオレに追いつけるとでも思ってるのか?!」
少年は悪態をつくと、さらにスピードをあげ人間ではあり得ない跳躍で森の木々を飛び移った。
「……さすがに犬の家系。身体能力では太刀打ちできないな……。
お前ら、妖術を使って攻撃だ。足を吹っ飛ばしても構わん。口さえきければアレの在り処は聞きだせる。………やれ!」
一番長身の男の指示の直後、眩い色とりどりの閃光が放たれ、少年を襲った。
「……!やべーな、避けきれねー!……くそっ!……飛雷神爪!」
避けきれないと悟った少年は襲い来る閃光に向かって、鋭く伸びた爪を立て腕を振るった。
その爪はパチパチと雷を纏い、槍のような雷閃が向かってくる閃光と衝突した、
しかし、一度に複数人から放たれた閃光を相殺しきることはできず、雷との衝突による爆発とともに残った閃光が少年に直撃した。
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