思いの行方

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流れていく水をボーッと見ていた目線を 私は目の前にある鏡に移した…。 「ちょっと先輩!こんなトコに居たんですね! もう時間ですよ????」 「えっ。そんな時間?」 腕時計を見ると開始1分前だった…。 いつの間にこんな時間が経ってたんだろう…。 手を見ると少しふやけてシワシワになっていた。 「ごめん。ボーッとしてた笑」 「もぅ!5分前行動っていつも言ってるの先輩じゃないですか~??」 そう怒るのは入社1年目の吉崎 真奈ちゃん。 「あはは~」 と笑ってごまかし部屋に入る。 カツンと鳴ったヒールの音と共に一瞬にして背筋が伸びて身体がギュッと引き締まるのがわかる。 「オセェ…」 横からすぐにイラついた言葉を浴びせられ、 「申し訳ないです…」 と形ばかりの謝罪をする。
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