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残り30分。
「なあ、やっぱり、あいつらヤリにいかねーか?」
しびれを切らしたのは不良ジャージ。
「だめだ。俺は殺したくない」
「だよな。そう言うと思ったよ。お前、正義感だけは強いもんな」
不良ジャージは立ち上がり、ピコピコハンマーを回転させながら投げ、キャッチしては投げを繰り返す。
「そうゆーとこ、嫌いじゃないぜ」
…。
「でもな…」
!?
「俺の正義感はそこまで強くねぇ」
ハンマーを振りかぶり、俺めがけて振り下ろす。
ハンマーが地面を叩く。
『バンッ』
破裂音。
「おい、迷彩、お前はどうなんだ?」
「俺は…」
動かない、迷彩。
迷っている、といった素振り。
「チッ」
ジャージは、舌打ちをすると、2撃目、3撃目を繰り出す。
サユリさんがマシンガンを構える。
「お前ら、イチャイチャしやがって。気にくわねーんだよ」
ハンマーの標的は、俺ばかりじゃなく、サユリさんにも向く。
「サユリさん、ダメだ!殺しちゃいけない」
ジャージは、キッと俺を睨む。
「おい、てめぇ。なにもできねーくせに、女に守ってもらってばっかりでよ…。えらそーに。死ねやこの野郎」
『ダンッ』
銃声。
サユリさん…ではない。
この音は、ショットガン。
敵チームにいた、黒パーカーの少年。
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