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ド派手な演出。なんかすげーな…。
高まる期待感。
こんな凝ったイベント、聞いたことねーぞ。
『この12の扉が皆さんのお部屋への入り口です』
扉には1から12の番号。
「すっげー、マジ、やばくねー?入っていーの?」
見るからに不良なオーラを醸し出しす、ジャージ姿の男が、扉へと歩を進める。
『おっと、お待ちください。その前に、皆さんにゲームに役立つアイテムをお渡しいたします』
みんなの視線は再びピエロに。
ステージ上には布をかけられた円卓。
『バサッ』
布を払う。
そこには、マシンガンや拳銃、ナイフ。
中にはピコピコハンマーやハリセンなんかもある。
『さ、ご自由にどうぞ』
「ヒュー。ゲームって、サバゲーかぁ?俺、得意だぜ」
言って、円卓に向かうのは、迷彩服を着たマッチョ。
おいおい、俺、サバゲーって気分じゃないんだけど。
迷彩マッチョは、円卓に近づくや、目の前にあった拳銃を手に取る。
「お、クオリティたけーな」
壁へ銃口を向け、じっくりと確かめるように照準を合わせる。
「まるで本物だな―」
『パンッ』
「おわっ!」
迷彩の叫びと共に広がるどよめき。
「お、おい、なんだよこれ」
『なんだよって、ベレッタです。さあ、一人一つまでですよ~』
なにこれ…。
リアル何々ゲーム的な、そんなノリ?
いやいや、漫画じゃねーんだから…
スタスタと円卓に向かう影。
寡黙を決め込んでいた黒いパーカーの少年。
高校生くらいだろうか。
「これ、ショットガン?」
『その通り、ショットガンです』
パーカーはその武器を構え、俺たちを端から端までなめるようにゆっくりと銃身を左右に振る。
おいおいおい。
「バーン… なんてね」
…頭大丈夫か、コイツ。
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