15歳の私へ

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「ただいま」 「あ、お帰りなさいまい!」 リビングから出てきたのは私のお母さん。 最近やけに色々言ってきて鬱陶しい。 「まい、夜ご飯は?あっ、先に手を洗いなさいね。最近風邪が流行っているんだから」 「……」 "うるさいな" そう言いかけて、言葉を飲み込んだ。 さっきのメールが脳裏に浮かんだからだ。 別に信じてるわけじゃない。 けれど。 「うん、……ありがとう」 とても小さな自分の声。 情けないと思いつつ、それが精一杯だった。 「ふふっいいえ」 お母さんは、優しく笑った。 よく見ると、目に笑いじわがある。 「夜ご飯は、食べるから」 そう言って、二階の自分の部屋に駆け込んだ。 なんだか、泣きそうになった。何故かは分からない。
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