第1章

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 猫のスイカ。二年前の夏、お父さんが仕事の帰り道連れて帰ってきた迷子の子猫。白と黒のぶちで、おでこが八われで、鼻のさきっちょの半分が黒。なんかちょっと賢くて、人の話が分かってるのかなぁと思うこともあったりした。とってもかわいくて、毎晩一緒に寝てた。けど・・・。半年前に一週間ほど家出して、しばらくして四匹の子猫のお母さんになって、私とは一緒に寝ることがなくなってしまった。子猫たちはすぐに大きくなって、家中を走りまわって、わたしもスイカと遊ぶよりも子猫たちと遊ぶほうが楽しくなっていたのかも知れない。  今年一番の寒い朝、スイカは自分で窓を開けて出て行った。すぐに帰ってくると思っていたのに、とうとう十日が過ぎて明日はクリスマスイブ。スイカを探しに行こう!角の教会の端っこの四角い溝と丸い溝が交わっている所。丸い溝をくぐって抜けた所に猫の国があるらしい。そこへ行ってみよう!
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