so do I.

崩壊する、ボクの日常

『ああ、桜。また背が伸びたのね』

ママのハグも久し振り。でも新しいパパの微笑の前でボクはよそよそしくしてしまう。

屋敷に居る時は、常にジェイソンと馬じいやの二人がボクの近くに居た。

仕込みたっぷりの狩りや、社交パーティーに呼んだり呼ばれたり――長くて疲れるつまらない休みだった筈なのが、ジェイソンが時々ボクをこっそりと屋敷の外や川遊びにも連れてってくれたおかげで、楽しく過ごせた。

だけど一昨日の夕方、ボクは見てしまったんだ。

ジェイソンが屋敷の陰で他のボディーガード三人とボクの部屋の窓を見上げながらひそひそ話している姿と、

『口答えは許さないよ、馬。これは頼みじゃない、命令だ！』

書庫から本を取って部屋に戻る途中、ドアの向こう――林さんの書斎――から聞こえてきた怒鳴り声。ボクの前では決してなかった厳しい声音が続けて言った。

『計画は明後日、予定通りに実行する。わかったな？』

――明後日、ボクが家を出る日。
馬じいやは何をするつもりなんだろう。