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得能さんは、ズンズンと先に進む。
「太一、誤解されがちだけど、イイ奴だから。
五月ちゃん、俺のこと、どう思う?」
「…えと。いい人だと思います」
この旅行で、唯一、信じられる男性。
「ありがと。その俺と一番仲いいのが太一なの。
だから、信じてみてよ。アイツほど、不器用で、
ややこしくて、純粋な男はいないからさ」
ゆっくりと合わせてくれる、その歩調に。
ほどよく保たれたその距離に。
私は、少しずつ川崎さんに打ち解けていった。
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