SPICE3

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得能さんは、ズンズンと先に進む。 「太一、誤解されがちだけど、イイ奴だから。 五月ちゃん、俺のこと、どう思う?」 「…えと。いい人だと思います」 この旅行で、唯一、信じられる男性。 「ありがと。その俺と一番仲いいのが太一なの。 だから、信じてみてよ。アイツほど、不器用で、 ややこしくて、純粋な男はいないからさ」 ゆっくりと合わせてくれる、その歩調に。 ほどよく保たれたその距離に。 私は、少しずつ川崎さんに打ち解けていった。
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