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――ピリリリィッ ピイッ!!
すっかり雪景色となったクトの山々に、今朝もスロの吹く笛がこだまする。
「うぁー、寒かったぁ………」
「お疲れ様です、駅長。外套の雪払わないと、ロコ先輩に怒られますよ」
「うっ」
いつも通りのクトと少し違うのは、駅務室にスロを出迎えてくれるロコの姿がないということだ。
代わりに彼を迎えたのは、新米駅員のマララ=スルターナ。
名前からわかるように、彼女はオスマン連邦王国の第三王女である。
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