終点 線路はどこまでも

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他方、弥生ちゃんの移動には国鉄本部におけるスロの知り合いという知り合いが関わっていた。 オムラ組壊滅に貢献したラジッツ村村民と共に、弥生ちゃんはスロと共に幼いながら勇気を振り絞ってジャクリ組に対抗したヒロインとして国鉄内外に広く認知されていた。 そのため、彼女に招待状が送られたことを知るや否や、国鉄本部職員、さらには往時スロと同様に理不尽な左遷を受けていた職員たちが中心となって、結婚式参列特別列車が企画されたのだった。 なかでも弥生ちゃんに対する扱いは特別なもので、既に二軍級の旧型とはいえ貴賓車であるスイネ28-120番台の特別室があてられていた。 他の村民の客車も軒並みナロネ10という超豪華列車で、国鉄の事件解決への並々ならぬ感謝がうかがい知れる列車でもあった。
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