終点 線路はどこまでも

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「……お二人の門出を皆様とご一緒に見送りたいと存じますが、その前に準備が必要でございます。皆様のご協力を仰ぎたいと思いますが……」 壇上の鳳翔さんが言い終わる間でもなく、会場からは賛同の歓声と「何すればええの」と言う声が聞こえてくる。 「皆様、ありがとうございます。それでは会場の中央を広く開けて戴きまして……あっ、テーブルは担当の者が移動致します」 甲板の左右に分散する参加者と、有志によって移動されるテーブル。会場は、一部とはいえ、航空母艦鳳翔飛行甲板としての姿を取り戻す。 「それでは皆様、艦尾の方をご覧下さいませ」 鳳翔さんの声を合図に、後部エレベーターの動作ブザーが響き始める。 そして、姿を現したのは………。 「何故ナナロクが……?」 「三式指揮連絡機……?」 「Kirschblüten……?」 その姿をよく知る扶桑陸軍関係者、およびヒンデンマルク軍関係者からどよめきが起こる。
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